November   2001.11

モチーフ:デルフィニウ ム+アンドロサセ
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世界で最も豊かな国アメリカが、世界で最も貧しい国のひとつアフガニスタンを攻 撃する。
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死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった

死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった 着もの一枚残さなかった

死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった

死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった 平和ひとつ残せなかった

死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた
他には誰も残っていない 他には誰も残っていない

死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来る明日
他には何も残っていない 他には何も残っていない

           『死んだ男の 残したものは』  谷川俊太郎


   
モチーフ:デルフィニウム +アンドロサセ

 私の写真は太陽光の下で撮影をしていますが、写真を見るとその時の日差しがどんなだったかが思い出されます。これは五 月の展覧会の合間に、ギャラリーのホールで撮影したものです。  最近、『花たちのふるさと』(富山稔:河出書房新社)という本を手に取りました。私たちが花屋で見かける、たくさんの花の原種が自生する世界各地の写真集 です。
荒々しい岩場や剥き出しの根が見える赤茶けた土、遠くに雪をいただく山を背景に した草原が、チューリップやアイリスのふるさとです。アンドロサセはスペインピレネー山脈に自生している写真がありました。

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